パーソンズとか


僕は変な風に社会学を学んできたんで、知識にかなり偏りがある。
新古典派)経済学みたいに体系的じゃないところが社会学のいいところだと思っているので、偏りがあったって別にいいと言えばいいんだけど。


っていうのも、僕は社会学の巨人、パーソンズの理論をほとんど知らない。もちろん社会学の入門書とかで出てくるので、AGIL図式とか、全然理解してないけど、ほんの少しくらいなら知っている。でも、ものすごい浅い知識しかない。もちろん、パーソンズの本なんて読んだことも、買おうと思ったこともない。


でもやっぱり巨人パーソンズルーマンも、ハーバーマスも、ガーフィンケルも、ストラウス+コービンも、社会学の大理論家はパーソンズを批判的に継承していって独自の理論を築き上げている。
で、ちょっとだけ勉強しようと思ってググってみたよ。
そしたら、面白い論文見つけた。


SFCの熊坂賢次氏の論文:パーソンズとモダンのリアリティ


いきなりかっこいい。

社会学者としてのアイデンティティすら喪失ぎみの“ぼく”にとって、なぜ、いまになって、タルコット・パーソンズを語ることに意味があるのだろうか。やや遅れてきたパーソニアンとして、だからこそ、そうあろうと過剰に適応したのが70年代だった。だが、パーソニアンとしての誇りをもって80年代の前半までをしっかりと生きてきたのに、いまパーソンズ社会学的な貢献を語ることに、ぼくはなぜある時代錯誤感をもつのだろうか。そのズレの感覚を解読することは、パーソニアンとしてのアイデンティティにつつまれて幸福だった頃の自分を再解釈することになるし、あるいはそれ以上に“パーソニアン”としていつかはやらなければならない使命なのだろう。


パーソンズが生きた時代と今が、あまりにも違いすぎるんだよね。
それがグランドセオリーの最大の弱点だったね。熊坂氏はそれでいいって言って、新しいモデルを提案している。
僕はそもそもグランドセオリー自体に違和感があるんだよな。
論文自体は面白かったけど、パーソンズの本は読むことはないだろうな。


熊坂氏のサイトはこの論文以外にも面白い論文たくさんあったので、要diggin'だよ。
ブルデューの理論使ったものが多かった感じだった。